ビッグフレーム

たぶん、先日のブログを読まれた競輪選手の方々は「そういう乗り方したいわけね」と、ピンときているのではないかと思います。

そう、ここ数年、競輪界で「ビッグフレーム」と呼ばれる通常よりも大きめのフレームに乗るポジションに変えていく流れがあります。

こんにちわケルビムの宮田です。

一般ユーザーの皆さんはトラック競技選手のポジションにどんなイメージを持っているでしょうか?

ちなみに自分は「近く、低く」みたいなイメージを持っていました。

つまり空気抵抗を減らすために、サドルとハンドルの落差はすごいついていて、上体も「グッ」とコンパクトにまとまっているイメージです。

ですが、現在のトラック競技の世界的トレンドは「遠く、浅く」といったポジションに変化してきています。つまり上体をグッと遠くに伸ばして空気抵抗を減らす乗り方と言えばいいでしょうか。

イメージ的にはTTポジションに近い感じでしょうか。。。(個人的にはスーパーマンポジションなんて思ってますが)

今、トラック競技もどんどんと高速化が進んでいて、世界ではハロン(200m)のタイムは9秒台が当たり前。日本の競輪でも上がりタイム(最終周回のバックストレッチからゴールラインまでのタイム)も11秒台、グレードレースでは10秒台なんてレースもざらです。

※念の為誤解が無いように付け加えておきますが、ある程度体力を使った最終週で、対戦相手と競り合いながらの10秒台なので、競輪もいかに高速化が進んでいるかが分かると思います。

で、この高速化のひとつに「遠く、浅く」といったポジションの潮流があると言えます。

ただ、ひとつ難点があって、国際競技で使うカーボンフレームは、特注の長いステムが使えるので、このポジションは実現しやすのですが、競輪はステム長が最大で140mmまでしかありません。つまり、この上体を伸ばしたポジションを取るために、あとは上パイプ(トップチューブ)を伸ばしてあげるしかないのです。またスローピングもパイプ1本分しかしてはいけないと言う規定があります。

つまりどうなるか。感の良い方ならもうお気づきかと思いますが、前述した「遠く、浅く」というポジションを競輪競走で実現するためには、フレームを大きくしてあげるしかないと言うことなのです。

そう、これが「ビッグフレーム」と言われる所以です。

ビッグフレームと言われるフレームは、トップが長く、また落差も減らすためヘッドも長くなる傾向がある

別の見方をすれば、このビッグフレームというのは、世界で主流となっている「遠く、浅く」といったポジションが取れるのか?という話になってくるわけです。

「ポジションも一緒に見ながらフレームを設計する」

競輪では選手から指定の角度寸法が送られてきて、それで図面をひき、製作をすることが今までのやり方でした。ただ、この「ビッグフレーム」の流れが来てから、改めて選手の皆さんが苦心して出されたポジションを知り、それを知った上で図面を引いていくことの大事さに気付かされた次第です。

次回「プロ競輪選手、脅威のポジション感覚」について自分の驚きも含めお話したいと思います。

どうぞお楽しみに。

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